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ドラマシリーズの続編として制作された『エンジェルフライト THE MOVIE』。
伊沢那美をはじめとするエンジェルハースのメンバーが再び集結し、海外で亡くなった人を故郷へ送り届ける「国際霊柩送還」という仕事に向き合います。
映画版では複数の遺体搬送が同時に進む一方、ドラマで消息不明となっていた那美の恋人・足立幸人の物語にも大きな進展が訪れます。
それぞれの死に隠された事情や遺族の思い、そして那美と幸人が迎える結末は、どのように描かれたのでしょうか。
本記事では、『エンジェルフライト THE MOVIE』のあらすじから結末までをネタバレありで解説します。
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キャストや登場人物、ドラマ版とのつながり、実際に観た感想についてもまとめているため、これから視聴する方はネタバレにご注意ください。
『エンジェルフライト THE MOVIE』とは?
『エンジェルフライト THE MOVIE』は、ドラマ『エンジェルフライト』の続編映画です。
2023年にAmazon Prime Videoで配信されたドラマ『エンジェルフライト 国際遺体送還士』の続編にあたる映画作品です。
羽田空港にある会社「エンジェルハース」を舞台に、海外で亡くなった人の遺体を遺族のもとへ届ける国際遺体送還士たちの姿を描いています。
原作は佐々涼子のノンフィクション作品
原作は、ノンフィクション作家・佐々涼子氏のドキュメンタリー書籍『エンジェルフライト 国際遺体送還士』(集英社文庫)です。
第10回開高健ノンフィクション賞を受賞した作品で、国境を越えて遺体を搬送するプロフェッショナルの実話や取材をもとに構成されています。
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2026年2月13日からPrime Videoで独占配信
映画『エンジェルフライト THE MOVIE』は、2026年2月13日よりPrime Videoにて世界独占配信されています。
劇場公開ではなく、動画配信サービスでの独占リリースとなっています。

また『エンジェルフライト』が観られて嬉しい!
『エンジェルフライト THE MOVIE』の作品情報
『エンジェルフライト THE MOVIE』の作品情報は以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作品名 | エンジェルフライト THE MOVIE |
| 配信開始日 | 2026年2月13日 |
| 配信サービス | Prime Video |
| 主演 | 米倉涼子 |
| 原作 | 佐々涼子『エンジェルフライト 国際霊柩送還士』 |
| 監督 | 堀切園健太郎 |
| 脚本 | 古沢良太 |
| 上映時間 | 138分 |

ドラマ版以上のスケール感が良かった!
『エンジェルフライト THE MOVIE』のあらすじ
海外で亡くなった人の遺体を母国の遺族へ送り届ける国際霊柩送還会社「エンジェルハース」。
社長の伊沢那美たちは、故人と遺された家族がきちんと別れられるよう、さまざまな事情を抱えた遺体の搬送に奔走していました。
ある日、那美のもとに、8年前に海外の事故で行方不明となった恋人・足立幸人が、メキシコで生きているかもしれないという情報が届きます。
突然もたらされた知らせに心を揺さぶられながらも、那美は柏木会長の指示を受け、メキシコで交通事故により亡くなった日本人女性・菊池美沙子を送還するため現地へ向かいます。
一方、日本に残ったエンジェルハースのメンバーにも、次々と新たな依頼が舞い込みます。
矢野雄也と田ノ下貢は、車椅子で世界一周をしながら動画を配信していた倉持健臣のご遺体を、オーストラリアから日本へ搬送することに。
ゴールを目前に亡くなった健臣には、どうしても果たしたかった最後の願いが残されていました。
さらに、幼い命を失った家族や、日本で亡くなったアメリカ人俳優マービン・クルーゾーの送還など、それぞれ異なる事情を抱えた依頼が重なっていきます。
故人が遺した思いをくみ取りながら、遺族が後悔なく別れられる方法を探すエンジェルハースのメンバーたち。
死者を迎える「死者の日」でにぎわうメキシコを舞台に、那美は美沙子の送還を進めると同時に、長年行方を追い続けてきた幸人の真相に近づいていきます。
複数の死と別れの物語が思いがけない形でつながる中、那美は過去と向き合い、大きな決断を迫られることになります。

重いテーマなのに笑いと涙のバランスが絶妙
『エンジェルフライト THE MOVIE』のキャスト・登場人物
『エンジェルフライト THE MOVIE』のキャスト・登場人物は以下の通りです。
「エンジェル・ハーツ」の関係者
- 米倉涼子/伊沢那美役
- 松本穂香/高木凛子役
- 城田優/柊秀介役
- 矢本悠馬/矢野雄也役
- 野呂佳代/松山みのり役
- 徳井優/田ノ下貢役
- 遠藤憲一/柏木史郎役
- 織山尚大/伊沢航役
- 鎌田英怜奈/伊沢海役
- 向井理/足立幸人役
- 谷田歩/黒崎役
ゲスト
- 木村祐一(青年期:鈴木武)/菊池譲司役
- 鶴田真由(若い頃:久保田紗友)/菊池美沙子役
- 米本学仁/ミゲル斎藤役
- 田村健太郎/高田聖也役
- 管理人/國本鐘建役
- 丸山智己/澁澤勲役
- 島かおり/澁澤君江役
- 入山法子/真衣ランベール役
- ルカ – ALEX JD/真衣の夫役
- ミーナ – Lily.M/真衣の娘役
- 原日出子/圭子役
- 佐藤緋美/倉持健臣役(幼少期:横井尊)
- 月島琉衣/泉役
- 生瀬勝久/倉持吾郎役
- 赤間麻里子/サクラ
- Richard E. Wilso/マービン・クルーゾー
- 松下恵/司会者
- 池田成志/添島

配信映画とは思えない映像と音楽のクオリティで大満足
『エンジェルフライト THE MOVIE』のネタバレあらすじ
ネタバレを含みますので、ご注意ください。
『エンジェルフライト THE MOVIE』は、ドラマシリーズの直後から始まります。
そして、美沙子、ミーナ、健臣、マービンの4つの送還案件と、那美が幸人の足跡を追う物語で構成されています。
国際霊柩送還会社「エンジェルハース」の伊沢那美たちは、海外で亡くなった日本人や、日本で亡くなった外国人を故郷へ送り届けるため、慌ただしい日々を送っていました。
そんななか、エンジェルハースには一度に複数の依頼が舞い込みます。
それぞれの故人と遺族が抱える事情は異なりますが、那美たちは「最後にきちんとお別れをしてもらう」という信念のもと、難しい送還業務に向き合っていきます。
メキシコで亡くなった菊池美沙子
那美が担当することになったのは、メキシコで亡くなった日本人女性・菊池美沙子の送還です。
美沙子は若い頃、ストリートミュージシャンをしていた菊池譲司と出会いました。
裕福な家庭に育った美沙子と、音楽で生きようとしていた譲司は立場の違いを超えて愛し合い、家族の反対を押し切るように日本を離れます。
その後、2人はメキシコへ流れ着き、約30年間一緒に暮らしていました。
しかし、美沙子は交通事故に遭い、そのまま帰らぬ人となります。
さらに婚姻届けを美沙子が提出していなかったことが、彼女の死後に判明。
美沙子の遺族は遺体を日本へ戻すことを望んでいましたが、譲司は送還を拒否。
美沙子が自ら命を絶った可能性も疑われ、弟の澁澤勲は、譲司が姉を追い詰めたのではないかと不信感を抱いていました。
那美は譲司の頑なな態度に腹を立てながらも、彼が美沙子との思い出を手放せず、妻の死を受け入れられずにいることに気づきます。
やがて調査が進み、美沙子の死には譲司が思っていたものとは異なる事情があったことが判明します。
長年すれ違っていた美沙子の家族と譲司は、彼女が本当に望んでいたことを知り、少しずつ同じ方向を向き始めます。
生後間もない娘ミーナを亡くした家族
高木凛子と柊秀介が担当するのは、生後間もない娘・ミーナを亡くした真衣ランベールと夫のルカです。
ミーナは眠っている間に突然亡くなり、乳幼児突然死症候群と診断されます。
乳幼児突然死症候群とは、それまで元気だった赤ちゃんが、はっきりした原因が分からないまま眠っている間に亡くなる病気です。
母親の真衣は、そばにいたにもかかわらず娘の異変に気づけなかったことで、自分を激しく責め続けていました。
ルカは、イタリアで待つ家族にもミーナと最後のお別れをさせたいと考えますが、真衣は娘を手放すことができません。
さらに、赤ちゃんの小さな体を長時間の移動に耐えられる状態へ整えるには、細心の注意が必要でした。
凛子と柊は、真衣の悲しみに寄り添いながら、ミーナをイタリアへ送り届ける準備を進めます。
当初はイタリアへ行くことを拒んでいた真衣でしたが、娘のためにできる最後のことを考え、ルカや母・圭子とともにミーナを見送る決意を固めていきます。
車椅子で世界一周していた倉持健臣
矢野雄也と田ノ下貢が担当するのは、オーストラリアで亡くなった倉持健臣です。
健臣は事故で歩けなくなり、車椅子で世界一周をしながら、その様子を動画で配信していました。
しかし、日本への帰国を目前にして、自分に絡んできた人とトラブルになり、車椅子ごとプールへ転落し、亡くなってしまいます。
父親の倉持吾郎は、障害のある息子が無謀な旅へ出ることに反対していました。
息子をもっと強く引き止めるべきだったという後悔から、吾郎は矢野たちにも厳しい態度を取ります。
その一方で、健臣の動画を見ていた少女・泉や多くの視聴者は、彼の旅に勇気をもらっていました。
健臣は単なる話題作りで旅をしていたのではなく、世界一周を成し遂げることで伝えたい思いを抱えていたのです。
健臣がなぜ危険を承知で旅を続けたのか。
その理由を知った吾郎は、息子が自分の人生を自分で選び、精いっぱい生きていたことを少しずつ理解していきます。
矢野と田ノ下は、ゴール直前で終わってしまった健臣の旅を、特別な方法で完結させようと動き出します。
日本で亡くなった俳優マービン
松山みのりと柏木史郎が担当するのは、ファンミーティングのため日本を訪れていたアメリカ人俳優、マービン・クルーゾーです。
マービンは人気俳優でしたが、滞在中の日本で突然亡くなります。
所属事務所からは、死亡した事実を公表せず、誰にも知られないままアメリカへ送還してほしいという依頼が出されました。
ところが、マービンの遺体を確認したいと主張する日本人女性・サクラが現れます。
サクラは自分こそがマービンの妻だと話しますが、2人が正式に結婚していたことを証明するものはありません。
柏木とみのりはサクラを熱狂的なファンだと疑います。
しかし、マービンが遺した品や、2人しか知らない思い出をたどるうちに、彼とサクラの間には世間に公表できない特別な関係があったことが分かってきます。
みのりたちは、事務所の要求に従って極秘に送還を進めるべきか、それともマービンを心から愛したサクラに最後のお別れをさせるべきか、難しい判断を迫られます。
メキシコで足立幸人の目撃情報が入る
美沙子の送還を進めていた那美のもとへ、8年前から消息不明となっていた恋人・足立幸人がメキシコで生きている可能性があるという情報が届きます。
幸人は海外で事故に巻き込まれ、死亡したと考えられていました。
しかし、刑事の黒崎が調べたところ、幸人らしき男性がメキシコで目撃されていたことが分かります。
那美は「今さら知りたくない」と強がりますが、長い間待ち続けてきた幸人の消息を無視することはできません。
美沙子の送還業務を続けながら、現地で幸人の足取りを追い始めます。
やがて那美は、幸人が事故後も生き延びていた可能性や、家族のもとへ戻れなかった理由に近づいていきます。
それぞれが故人との最後の別れに向き合う
美沙子を手放せずにいた譲司、幼い娘の死を受け入れられない真衣、自分を責め続ける健臣の父・吾郎、マービンのご遺体に会いたいと懇願するサクラ。
それぞれの遺族は、エンジェルハースのメンバーに支えられながら、故人が残した言葉や思いと向き合います。
亡くなった人を本来帰るべき場所へ届け、遺された人が次の一歩を踏み出せるようにするのが、エンジェルハースの仕事でもあります。
そして、死者の魂が家族のもとへ帰ってくるとされるメキシコの「死者の日」。
美沙子たちとの別れが進んでいくなか、那美もまた、長年心の中に残り続けていた幸人との関係に答えを出すことになります。

死』を扱う作品だけど、観終わった後に前を向ける温かい名作
『エンジェルフライト THE MOVIE』の見どころ
『エンジェルフライト THE MOVIE』では、ドラマ版で描かれてきた国際霊柩送還士の仕事に加え、伊沢那美と足立幸人の物語にも大きな進展があります。
複数の送還案件が同時に進むため登場人物は多いものの、どの物語にも「大切な人と、どう別れるのか」という共通のテーマが流れています。
ここからは、本作で特に注目したい見どころを紹介します。
エンジェルハースのメンバーが再集結
映画版には、伊沢那美を演じる米倉涼子さんをはじめ、高木凛子役の松本穂香さん、柊秀介役の城田優さん、矢野雄也役の矢本悠馬さんら、ドラマ版でおなじみのメンバーが再集結しています。
強引に見えて、誰よりも故人と遺族のことを考えている那美。
経験を積みながら成長してきた凛子や、冷静に仕事を進める柊など、それぞれの持ち味も健在です。
普段は言い争いや冗談が絶えないエンジェルハースですが、困難な状況では自然に支え合います。
長く一緒に働いてきた仲間だからこそ生まれるテンポのよい会話と、確かなチームワークも見どころです。
4つの別れを描いた送還エピソード
本作では、メキシコで亡くなった菊池美沙子、生後間もなく亡くなったミーナ、車椅子で世界一周していた倉持健臣、日本で亡くなった俳優マービンの送還が描かれます。
それぞれの故人には、生前に伝えられなかった思いや、遺族が知らなかった事情が残されていました。
長年連れ添った相手を手放せない人、幼い娘を守れなかったと自分を責める母親、息子の生き方を理解できずにいた父親など、遺された人たちの悲しみもさまざまです。
エンジェルハースのメンバーは、遺体を故郷へ運ぶだけでなく、遺族が後悔なく別れられる方法を探します。
短い時間のなかで複数の人生が丁寧に描かれており、それぞれの結末に胸を打たれます。
国際霊柩送還士の仕事を丁寧に描いている
海外で亡くなった人の遺体を母国へ運ぶには、航空便の手配だけでなく、現地の行政機関との調整や書類の準備、遺体の衛生処置など、さまざまな対応が必要です。
映画では、遺体の状態や亡くなった場所、遺族の希望によって、送還方法が大きく変わることも描かれています。
特に、赤ちゃんの小さな体を長時間の搬送に耐えられるよう整える場面や、著名人の死を伏せたまま送還を進める場面からは、この仕事の難しさが伝わってきます。
専門的な手続きだけでなく、故人を一人の人間として大切に扱う姿勢が一貫して描かれている点も、本シリーズならではの魅力です。
那美と幸人の物語が大きく動く
ドラマ版から続く重要な物語が、8年前に消息を絶った那美の恋人・足立幸人の行方です。
那美は幸人の帰りを待ち続けていましたが、映画版ではメキシコで彼の目撃情報が入り、その足取りを追うことになります。
普段の那美は、どれほど困難な依頼でもひるまず、遺族に厳しい言葉を投げかけることもあります。
しかし、幸人のことになると冷静ではいられず、知りたい気持ちと、真実を知る怖さの間で揺れ動きます。
遺族に最後のお別れをするよう促してきた那美が、自分自身の別れにどう向き合うのか。
幸人が家族のもとへ戻れなかった理由と、2人が迎える結末は、ドラマ版を観てきた人にとって最大の見どころです。
メキシコの「死者の日」と物語のテーマが重なる
物語の重要な舞台となるのは、色鮮やかな装飾や花で街が包まれるメキシコの「死者の日」です。
死者の日は、亡くなった人の魂が家族のもとへ帰ってくると考え、大切な人を明るく迎えるメキシコの行事です。
日本のお盆に近い一面もありますが、悲しむだけでなく、故人との思い出を語りながらにぎやかに過ごす点が特徴です。
本作が描くのも、亡くなった人との別れだけではありません。
姿が見えなくなっても、故人と過ごした時間や、残された愛情は消えないことが伝えられています。
夜空に花火が上がるなか、那美が幸人への思いと向き合う場面は、華やかでありながら切なさも感じさせます。
死者の日の文化と、本シリーズが描いてきた「最後のお別れ」というテーマが重なる印象的な演出です。
重い題材のなかに笑いもある
死や別れを扱う作品ですが、終始暗い雰囲気で進むわけではありません。
那美の豪快な言動やエンジェルハースのメンバー同士の掛け合い、マービンの送還をめぐる意外な展開など、思わず笑ってしまう場面も用意されています。
マービンが飛行機で旅立つシーンで、その意外性が分かります。
笑いと涙のバランスが取れているため、重い題材でありながら最後まで見やすい作品です。

譲司が葬儀に駆け付けて土下座する場面は、後悔の深さが伝わってきて苦しかった
『エンジェルフライト THE MOVIE』を観た感想
『エンジェルフライト THE MOVIE』は、亡くなった人を送り届ける物語でありながら、残された人がどのように悲しみを受け止めていくのかを丁寧に描いた作品でした。
なかでも心に残ったのは、亡くなったミーナのために、凛子がおかゆを作ろうと提案する場面です。
娘の亡骸から離れられない母親の思いを受け止め、できなかったことを最後にかなえようとする凛子の優しさが胸に刺さりました。
亡くなった人には食べてもらえないと分かっていても、家族にとっては「してあげたかったこと」を形にする時間が必要なのだと思います。
送還士としての凛子の成長を垣間見た気がしました。
また、菊池美沙子の葬儀に譲司が駆け付ける場面も忘れられません。
長年連れ添ってきたにもかかわらず、美沙子の家族からは歓迎されない立場だった譲司。
それでも葬儀に現れ、土下座をして「こんな形で娘さんをお返しすることになって…」と絞り出すような声が印象的です。
美沙子を守れなかった後悔や、家族から彼女を奪ってしまったという罪悪感が伝わってきました。
そんな譲司に対し、美沙子の母親が「娘の背中を押したのは自分だった」と語る場面には、責めるだけでは終わらない深い愛情を感じます。
母親は、美沙子が譲司と生きる道を選んだことを否定せず、自分も娘の人生を応援した一人だったと認めました。
譲司だけに責任を負わせるのではなく、美沙子が自分の意思で人生を選び、幸せな時間も過ごしていたことを受け止めたのだと思います。
誰かが亡くなると、遺された人は「あのとき止めていれば」「違う選択をさせていれば」と自分や他人を責めてしまいます。
しかし、美沙子の母親の言葉は、結果だけを見て、その人の人生すべてを不幸だったことにしてはいけないと伝えているように感じました。
倉持健臣のエピソードでは、SNSの誹謗中傷が描かれていたことも印象的です。
車椅子で世界一周を目指す健臣に対し、SNSには励ましの声だけでなく、「迷惑をかけるな」「周囲を巻き込むな」といった心ない言葉も寄せられていました。
画面の向こう側から簡単に投げられた言葉であっても、本人や家族には深く突き刺さります。
健臣の挑戦には危険があり、すべてを無条件に肯定できるわけではありません。
しかし、事情をよく知らない人が、障害のある本人の生き方を一方的に決めつけ、攻撃してよい理由にはなりません。
特に苦しく感じたのは、健臣の父親が、息子を止められなかった自分を責めていたことです。
息子の挑戦を応援すべきだったのか、それとも親として止めるべきだったのか。
どちらを選んでも後悔が残る父親の姿は、とても現実的でした。
健臣は誰かに無理やり旅をさせられたのではなく、自分の意思で世界へ出ました。
SNSでは結果だけを見て「無謀だった」と切り捨てられますが、彼の旅によって勇気をもらった人もいます。
本人がどのように生きたかったのかを尊重することの大切さを考えさせられました。
本作には、幼い娘を亡くした母親、愛する女性を失った男性、息子の挑戦を止められなかった父親など、さまざまな後悔を抱えた人が登場します。
那美たちは、その後悔を消してあげることはできません。
それでも、故人の思いを探し、残された人が最後のお別れをできるように支えます。
死を扱っているためつらい場面も多い作品ですが、ただ悲しいだけではありません。
おかゆを作ること、葬儀に駆け付けること、旅の続きをかなえることなど、遺された人が故人のためにできる「最後の一つ」が丁寧に描かれています。
別れはやり直せなくても、伝えられなかった思いを届けることで、少しだけ前を向けることがある。
『エンジェルフライト THE MOVIE』は、そんな希望を感じさせてくれる作品でした。

倉持健臣への誹謗中傷は、SNSの言葉が持つ怖さを改めて考えさせられた…
『エンジェルフライト THE MOVIE』は実話?
『エンジェルフライト THE MOVIE』は、実在する国際霊柩送還士の仕事を取材したノンフィクション作品が原作です。
ただし、映画に登場する伊沢那美やエンジェルハースのメンバー、菊池美沙子や倉持健臣などの物語が、そのまま実際に起きた出来事として描かれているわけではありません。
原作は、佐々涼子さんの著書『エンジェルフライト 国際霊柩送還士』です。
海外で亡くなった人の遺体や遺骨を母国へ送り届ける仕事に密着し、国際霊柩送還士と遺族の姿を描いたノンフィクションで、第10回開高健ノンフィクション賞を受賞しています
そのため、国境を越えて遺体を搬送する仕事や、遺体をきれいな状態に整えて遺族と対面させる業務、複雑な手続きに対応する姿などは、実際の取材を土台にしていると考えられます。
一方、『エンジェルフライト THE MOVIE』は、古沢良太さんが脚本を担当したドラマ作品です。
映画に登場する以下のエピソードが、特定の実在人物や事件をそのまま再現したものかどうかは、公式には明らかにされていません。
- メキシコで亡くなった菊池美沙子と譲司の物語
- 生後間もないミーナを亡くした家族
- 車椅子で世界一周をしていた倉持健臣
- 日本で亡くなった俳優マービン
- 行方不明となった足立幸人と那美の関係
したがって、本作は完全な実話ではなく、実在する仕事とノンフィクション取材をもとに作られたフィクションと説明するのが正確です。
実際の国際霊柩送還の現場で起きたさまざまな出来事や、遺族が抱える悲しみを参考にしながら、映画用に人物やエピソードを組み立てていると考えられます。
国際霊柩送還士は実在する仕事
国際霊柩送還士は、海外で亡くなった人を母国へ送り届けたり、日本で亡くなった外国人を故郷へ帰したりする実在の仕事です。
遺体を飛行機に乗せるための書類や航空便を手配するだけでなく、遺体の衛生処置や修復、棺の準備、現地の行政機関や大使館との調整なども行います。
原作では、日本初の国際霊柩送還専門会社で働く人々と遺族への取材を通し、故人をどのように家族のもとへ帰すのかが描かれています。
映画では演出として脚色された部分がありますが、遺族に最後のお別れをしてもらうために奔走する姿や、この仕事が持つ重さは、実際の国際霊柩送還の現場に基づいています。

観終わったあと、大切な人には伝えられるうちに気持ちを伝えたいと思える作品
『エンジェルフライト THE MOVIE』はどこで見られる?
『エンジェルフライト THE MOVIE』は、Amazon Prime Videoで世界独占配信中です。
本作は2026年2月13日から配信が始まったPrime Original映画のため、現時点ではNetflixやU-NEXT、Huluなど、ほかの動画配信サービスでは視聴できません。
映画館で公開された作品ではなく、Prime Video向けに制作された配信映画です。
Prime Videoで独占配信中
『エンジェルフライト THE MOVIE』は、Amazonプライム会員であれば、追加のレンタル料金を支払わずに見放題で楽しめます。
Prime Videoの作品ページにもプライム会員特典の対象作品として掲載されており、スマートフォンやタブレット、パソコン、対応テレビなどから視聴できます。
また、2023年に配信されたドラマ版『エンジェルフライト 国際霊柩送還士』もPrime Videoで配信されています。
映画はドラマ版の続編にあたるため、先に全6話を観ておくと、那美と幸人の関係やエンジェルハースのメンバーについて理解しやすくなります。
ドラマ版で描かれた那美と幸人の関係や、各話の結末については「『エンジェルフライト』全話あらすじと結末をネタバレ解説」で詳しく紹介しています。
>>『エンジェルフライト』全話あらすじと結末をネタバレ解説!キャスト・感想・続編情報も
Amazonプライムの料金
Amazonプライムの料金は、次のとおりです。
| プラン | 料金 |
|---|---|
| 月額プラン | 600円(税込) |
| 年額プラン | 5,900円(税込) |
| Prime 学割月額 | 300円(税込) |
| Prime 学割年額 | 2,950円(税込) |
通常の月額プランを1年間利用すると7,200円になるため、長く利用する場合は年額プランのほうが年間1,300円安くなります。
Amazonプライムに登録するとPrime Videoだけでなく、対象商品の配送特典やPrime Readingなど、ほかの会員特典も利用できます。
無料体験で視聴できる?
初めてAmazonプライムを利用する方には、30日間の無料体験が用意されています。
無料体験中も有料会員と同じようにPrime Videoの対象作品を視聴できるため、『エンジェルフライト THE MOVIE』とドラマ版をまとめて楽しむことも可能です。
無料期間中に解約手続きをすれば、会費は発生しません。
ただし、過去に無料体験を利用したことがある場合など、アカウントによっては無料体験の対象にならないことがあります。
登録前にAmazonの画面で、無料体験が表示されているか確認してください。
Prime Videoでは広告が流れる場合がある
現在のPrime Videoでは、プライム会員特典対象の映画やドラマに広告が表示される場合があります。
広告なしで視聴したい場合は、通常のAmazonプライム会費とは別に「Prime Video広告フリー」への登録が必要です。
ただし、料金や対象条件は変更される可能性があるため、登録画面で最新情報を確認しましょう。
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大切な家族と一緒に観たくなる、『生きること』を考えさせられる
まとめ
映画『エンジェルフライト THE MOVIE』は、2023年に好評を博したドラマ版の続編として、スケールも感動もさらにパワーアップして帰ってきた注目作です。
情に厚い社長・伊沢那美(米倉涼子)をはじめとする「エンジェルハース」の個性豊かな面々が、今作ではメキシコを舞台に新たな国際送還業務へ挑みます。
異国の地で繰り広げられる過酷な現場のリアリティはもちろんのこと、8年間にわたり消息不明だった恋人・幸人(向井理)を巡る那美の切ない過去と葛藤のゆくえからも目が離せません。
国境や言語、文化の壁を超えて、故人と遺族の「最後の絆」を繋ぎ止めるプロフェッショナルたちの熱い人間ドラマを、ぜひPrime Videoの配信でじっくりとお楽しみください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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