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Amazonプライム・ビデオで配信されているドラマ『エンジェルフライト 国際霊柩送還士』は、海外で亡くなった人を故郷へ送り届ける「国際霊柩送還士」の仕事を描いたヒューマンドラマです。
米倉涼子さん演じる伊沢那美を中心に、故人と遺族が抱える事情や、突然の別れに向き合う人々の姿が描かれます。
死を扱う重い物語でありながら、エンジェルハースの仲間たちによる温かいやり取りもあり、涙だけでは終わらない作品です。
本記事では、『エンジェルフライト』全6話のあらすじと最終回の結末をネタバレありで解説します。
主なキャストや見どころ、実際に観た感想、続編映画の情報もまとめているため、これから視聴する方はネタバレにご注意ください。
ドラマ『エンジェルフライト』とは?
『エンジェルフライト 国際霊柩送還士』は、海外で亡くなった日本人や、日本で亡くなった外国人を故郷へ送り届ける「国際霊柩送還士」の仕事を描いたヒューマンドラマです。
2023年3月にAmazon Prime Videoで配信され、2025年にはNHK総合でも放送されました。
主人公は、国際霊柩送還を専門に扱う会社「エンジェルハース」の社長・伊沢那美です。
那美を演じる米倉涼子さんをはじめ、松本穂香さん、城田優さん、矢本悠馬さん、野呂佳代さん、徳井優さん、織山尚大さん、鎌田英怜奈さん、向井理さん、遠藤憲一さんなどが出演しています。
原作は、佐々涼子さんのノンフィクション作品『エンジェルフライト 国際霊柩送還士』です。
海外で亡くなった人のご遺体を運ぶには、現地での手続きやご遺体の処置、航空会社との調整など、さまざまな対応が必要になります。
ドラマでは、エンジェルハースの社員たちが多くの困難を乗り越え、故人を待つ家族のもとへ送り届ける姿が描かれています。
全6話で構成されており、各話では異なる故人と遺族の物語が展開します。
突然大切な人を失った家族の悲しみだけでなく、故人が生前に抱えていた思いや、残された人が知らなかった真実も明らかになっていきます。
重い題材を扱っていますが、エンジェルハースの社員たちによる明るいやり取りもあり、涙と笑いの両方を感じられる作品です。

国際霊柩送還士という仕事を、このドラマで初めて知りました
ドラマ『エンジェルフライト』全話のあらすじをネタバレ解説

エピソード1:スラムに散った夢
ゲスト:葉山奨之、杉本哲太、麻生祐未
フィリピン・マニラで、日本人青年の杉原陽平(葉山奨之)がギャングの抗争に巻き込まれて死亡します。
ところが、現地で保管されていたはずの陽平のご遺体が突然消えてしまい、エンジェルハースの伊沢那美と新入社員の高木凛子が、ご遺体を捜すためマニラへ向かうことになりました。
陽平の父・杉原辰彦(杉本哲太)は、息子を勘当していたことから「遺体は必要ない」と突き放し、妻の佐千恵(麻生祐未)を連れて帰国しようとします。
辰彦は、陽平が過去に起こした迷惑行為によって自身の仕事や社会的信用まで失ったことを、今も許せずにいたのです。
一方、陽平をどのような状態でも家族のもとへ帰そうとする那美は、現地大使館の領事に止められながらも、凛子とともに危険なスラム街へ足を踏み入れます。
国際霊柩送還士の仕事を理想的に考えていた凛子は、強引で荒っぽく見える那美のやり方に反発します。
しかし、ご遺体を取り戻すためなら危険を恐れない姿を目の当たりにし、少しずつ仕事の重みを知っていくことに。
やがて那美たちは陽平のご遺体を発見し、日本へ送還することに成功します。
損傷したご遺体は柊秀介の処置によって丁寧に修復され、生前に近い穏やかな姿で両親と対面することになりました。
さらに、陽平が単なるトラブルメーカーではなかったことも明かされます。
マニラでは現地の若者たちと農園を作る夢を抱き、その実現に向けて動いていました。
ギャングに奪われ、盗られた財布を取り戻そうとしたのも、母親から渡された大切なものが入っていたからです。
息子の本当の思いや現地での生き方を知った辰彦は、それまで抱いていた怒りや失望の奥に、息子への愛情が残っていたことに気づきます。
佐千恵も、ようやく帰ってきた息子の姿に触れ、涙ながらに最後のお別れを告げました。
第1話では、ご遺体を日本へ運ぶことだけが国際霊柩送還士の仕事ではなく、突然別れを迎えた家族が故人と向き合い、きちんと「さよなら」を伝えるための時間をつくる仕事でもあることが描かれています。
エピソード2:テロに打ち砕かれた開発支援
ゲスト:浅利陽介、徳永えり、水上京香、辻本祐樹、川島美津子、阿部朋子、阪田マサノブ、マギー、筒井真理子、矢島健一、中村久美、中村育二、平田満
アフリカのムバダールで発生した銃乱射テロにより、インフラ開発支援に携わっていた日本人6名(田所幸一郎、松木源次、鎌倉綾ら)が犠牲に。
SNSでは「パーティー」という場面だけが切り抜かれ、誹謗中傷が止みませんでした。
そんな中、那美や凛子たちは、遺族の対応とご遺体搬送のため現地へ向かいます。
銃撃によるご遺体の損傷は激しく、凛子は凄惨な現場で涙を流しますが、那美から「遺族より先に泣いてはいけない」と諭され、遺族の悲しみを受け止める覚悟を持ちます。
現地で遺族たちは、亡き家族が現地の人々のために苦悩しながらも誇りを持って働いていた証跡を見つけ、それぞれの想いを募らせていきます。
ご遺体が日本へ帰国した後、修復スタッフの手によって傷跡が丁寧に処置され、遺族との最後の対面が果たされました。
綾は顔の損傷が激しく対面が難航していましたが、ヴェールのような薄布を被せた美しい姿で整えられ、婚約者から送られた結婚指輪をはめられて見送られます。
幸一郎は、離断した左腕をつなぎ直され、無事に出産を終えた妻・絵里と生まれたばかりの我が子に、父親として初めて対面しました。
幸一郎の父・勲は報道陣に対し、息子の志を誇りに思うと語りかけています。
エピソード3:社葬vs食堂おかめ
ゲスト:余貴美子、菅原大吉、井上肇、吉田ウーロン太、KYOGI、松澤匠、大後寿々花、小林綾子、草村礼子
韓国で急死した食堂の女将・吉崎恵と、大手会社の社長・大波大介。
恵は息子と娘からK-POPアイドルのチケットをプレゼントされますが、実は病院で詳しい検査を受けるよう勧められていました。
しかし、韓国から帰った後に受診しようと考え、先延ばしにしていたのです。
ところが胸部大動脈瘤が破裂し、ホテルで亡くなってしまいます。
台風の影響で日本行きの航空便が欠航する中、エンジェルハースの那美たちは2人のご遺体搬送を担当することになります。
1枠しかない直行貨物便をめぐり、柏木は総理大臣が参列する社葬を控えた大波を優先するよう指示します。
恵の遺族は「母はいつも他人に譲る人だったから」と諦めかけますが、那美は「命や遺族の悲しみに大小はない」と申し出を拒否します。
上海経由のルートを新たに確保し、スタッフを二手に分けることで、2人とも無事に日本へ送り届けたのです。
大波の社葬が無事に執り行われる一方、恵の葬儀にも大勢の常連客が集まります。
そこで恵の子どもたちは、母が現地でチケットを紛失した見知らぬ人に自分のK-POPライブチケットを譲っていた事実を知ります。
「推しと目が合った」という言葉は子どもたちを心配させないための優しい嘘でしたが、雅也と歩美は最後まで自分より他人を優先した母の温かい人柄を知り、涙を流すのでした。
また、大波と井村とのエピソードでは、幼馴染だった大波の夢を叶えるために井村が奔走する姿が描かれています。
エピソード4:アニメに憧れたベトナム人実習生
ゲスト:リエン、濱津隆之、竹森千人、田山由起、笠兼三、PHAM VIET LIEN、高橋由美子、近藤芳正
縫製工場で働くベトナム人技能実習生のスアンが交通事故で亡くなります。
日本での火葬・送還を担当するエンジェルハースに元同僚の礼人が接触し、スアンの遺体を奪って工場へ立てこもる事件が発生します。
礼人は劣悪な労働環境や賃金未払いを強いる工場長に謝罪と補償を要求しました。
実は礼人とスアンはアニメを通じて心を通わせており、スアンは日本でアニメ関連の仕事に就く夢を持っていたのです。
事故直前の様子から自死ではなく純粋な交通事故であったことが明らかになると、日本人を含む同僚たちも立ち上がり、工場長に未払い賃金の支払いや労災手続きを認めさせます。
無事に開かれたお別れ会には、現地からスアンの父も駆けつけます。
スアンが父だけでなく工場長のためにも還暦祝いの服を縫っていたことや、父へ礼人への感謝を伝えていたことが判明し、身勝手だった工場長も自らの行いを深く謝罪しました。
一方で同時期に、海外事故で死亡した男女の不倫発覚に葛藤する遺族のドラマも描かれます。
夫の不倫に激怒した純子は、指輪を取り外すため、指ごと切ってほしいと柊に要求します。
柊は純子に立ち会う覚悟を求めますが、純子は最終的に切断を思いとどまりました。
しかし、純子は夫の遺体を引き取りたくないと言い出します。
凛子は、夫を無理に許す必要はないと伝えました。
裏切られた妻は憎しみを抱えながらも最後には夫を見送り、新たな人生へ踏み出しました。
エピソード5:那美vs究極の悪女
ゲスト:松本若菜、ATIEH、INGO、ESSAM SAAD
モロッコの大富豪サリムが日本のホテルで死亡し、エンジェルハースがモロッコへの遺体搬送を担当します。
しかし、保険金殺人や過失致死の疑いが浮上し、夫の死に冷淡な妻・リリーへ世間の疑惑が向けられます。
さらにサリムは認知症を患っており、リリーを亡き第一夫人の名前で呼び続けていたため、リリーも「自分は身代わりで愛されていない」と孤独と憤りを抱えていました。
ご遺体との対面を拒むリリーに対し、那美は自身の過去を明かします。
かつて恋人の幸人を激しく責めた直後、彼がキューバの事故で消息不明となり、謝れないままご遺体すら戻らない後悔を打ち明け、「会えるうちに伝えるべきだ」と説得しました。
那美の言葉でご遺体と対面したリリーは、残されていたサリムの動画メッセージを見つけます。
そこには争いを謝罪し、死の直前に初めて「ナディア」ではなく「リリー」と本当の名前を呼ぶサリムの姿がありました。
夫の愛を確信したリリーは涙を流して別れを告げます。
今回の死に不審な点はなく、保険金目当ての殺人容疑は晴れました。
しかし、リリーは過去に起こした別の詐欺容疑で逮捕される結末を迎えます。
並行して、高身長の外国人女性のご遺体に合うウェディングドレスを試行錯誤して用意する矢野の奮闘や、凛子が余命いくばくもない母・塔子との関係に葛藤する姿も描かれます。
エピソード6:母との最期の旅
ゲスト:草刈民代、飯田基祐、山本修夢、BOB WERLEY、野間口徹
凛子の母・塔子がボリビアの辺境の村で病死します。
幼い頃から認められず、互いに素直になれないまま反発し合っていた凛子は、那美とともに母のご遺体を迎えに現地へ向かいます。
現地で母が残した「死ぬまでにやりたいことリスト」や想い人の存在に接する一方、凛子は生前の母が秘密裏にエンジェルハースを訪れていたことを知ります。
塔子はそこでスタッフから娘の仕事ぶりを聞き、自分の誤解を察するとともに、死への恐怖を漏らしていました。
日本へ帰国後、那美から母の処置を託された凛子は、心を込めて母の体を清め化粧を施します。
那美はリストにあった「愛する男に抱いてもらう」という項目を「愛する娘」と書き換え、凛子は母をしっかりと抱きしめました。
さらに、幼い頃の親子の写真の裏に「娘に迷惑をかける」と書かれた母の真意を知り、凛子は自身が母に必要とされていたことを悟ります。
素直になれなかった母の愛を実感した凛子は、感謝の言葉を伝えてわだかまりを乗り越えました。
物語のラストでは、8年前に行方不明となった那美の恋人・幸人が実は生きている可能性が刑事に告げられ、衝撃の展開を残して幕を閉じます。

故人の思いまで家族へ届けようとする姿に、何度も泣かされた…
『エンジェルフライト』の主なキャスト・登場人物
『エンジェルフライト 国際霊柩送還士』では、羽田空港に拠点を置く「エンジェルハース」の社員を中心に物語が展開します。
個性的な社員たちに加え、那美の家族や行方不明となった恋人なども、物語の重要な人物として登場します。
伊沢那美/米倉涼子
国際霊柩送還を専門に扱う会社「エンジェルハース」の社長です。
口調が荒く、思ったことをはっきり言う豪快な性格ですが、故人と遺族に対する思いは誰よりも強い人物です。
国籍や立場に関係なく、亡くなった人を家族のもとへ帰すため、難しい案件にも正面から立ち向かいます。
私生活では2人の子どもを育てるシングルマザーです。
8年前に恋人の足立幸人が海外の事故で行方不明となり、その出来事が今も心に残っています。
高木凛子/松本穂香
大企業を辞め、エンジェルハースへ転職してきた新人社員です。
海外で働ける仕事に憧れて入社しましたが、想像以上に過酷な現場や、深い悲しみを抱える遺族と向き合うことになります。
控えめで真面目な性格で、豪快な那美とは対照的です。
当初は戸惑うことも多いものの、那美や社員たちと働くなかで、国際霊柩送還士として少しずつ成長していきます。
柊秀介/城田優
エンジェルハースで、損傷した遺体の修復や化粧を担当するスペシャリストです。
ご遺体の状態を冷静に観察し、生前の姿にできるだけ近づけるため、細かな処置を行います。
一見すると何を考えているのか分かりにくく、ご遺体に関する知識を楽しそうに話すこともあります。
しかし、故人の尊厳を守り、遺族がきちんと別れられるようにするという強い信念を持っている人物です。
矢野雄也/矢本悠馬
エンジェルハースで働く若手の国際霊柩送還士です。
元ヤンキーらしい軽い言動が目立ちますが、仕事には真剣に取り組んでいます。
海外での遺体搬送や遺族への対応など、さまざまな現場で那美たちを支える存在です。
明るく親しみやすい性格で、重くなりやすい職場の空気を和らげています。
松山みのり/野呂佳代
エンジェルハースの手続きや事務を担当する社員です。
職場のうわさ話や人間関係に詳しく、おしゃべり好きなムードメーカーでもあります。
仕事では各国の制度や航空会社への対応を行い、遺体搬送を陰から支えています。
社員たちの様子をよく見ており、さりげなく気遣う優しさも持っています。
田ノ下貢/徳井優
エンジェルハースに所属する、経験豊富な国際霊柩送還士です。
穏やかで優しい雰囲気を持ち、感情的になりやすい場面でも落ち着いて対応します。
一方で、過去や私生活には謎が多く、つかみどころのない人物です。
海外の複雑な手続きや厳しい現場にも慣れており、那美から信頼されるベテラン社員として活躍します。
柏木史郎/遠藤憲一
エンジェルハースの会長で、那美とともに会社を支える人物です。
強面で威圧感がありますが、社員たちのことをよく理解しています。
那美とは意見がぶつかることもあるものの、故人と遺族を大切にする思いは同じです。
経営や依頼先との交渉を担当しながら、暴走しがちな那美を止める役割も果たしています。
伊沢航/織山尚大
那美の息子です。
思春期を迎えており、母親に素直になれないところがあります。
仕事を優先しがちな那美に不満をぶつけることもありますが、母親が人の命や家族の思いと向き合っていることを理解しています。
行方不明となった幸人を父親のように慕っていました。
伊沢海/鎌田英怜奈
那美の娘で、航の妹です。
明るくしっかりした性格で、多忙な那美を家族として支えています。
母親の仕事にも理解があり、家族のなかでは那美の一番の理解者となる場面もあります。
幸人がいなくなった後も、那美、航とともに暮らしています。
足立幸人/向井理
那美の恋人で、航と海にとっても父親のような存在だった男性です。
8年前、キューバで発生したフェリー事故に巻き込まれ、そのまま行方不明となりました。
ご遺体が見つかっていないため、死亡したのか生きているのかは明らかになっていません。
那美は幸人とけんか別れをしたことを後悔しており、彼の失踪は物語全体を通して描かれる重要な謎となっています。
高木塔子/草刈民代
凛子の母親です。
仕事に厳しく、優秀であることを求める性格で、幼い頃から凛子をほとんど褒めてきませんでした。
凛子が大企業を辞め、エンジェルハースで働き始めたことにも否定的な態度を取ります。
そのため、凛子は母親から認めてもらえなかったという思いを抱えています。
第6話「母との最期の旅」では、長年すれ違ってきた母娘の本当の思いが描かれます。

エピソードは家族を一度に失う悲しみが重く、特に印象的だった
ドラマ『エンジェルフライト』の見どころ

『エンジェルフライト 国際霊柩送還士』の魅力は、あまり知られていない国際霊柩送還の仕事を通して、亡くなった人と残された家族の思いを丁寧に描いている点です。
各話で異なる故人や遺族が登場し、ただご遺体を運ぶだけでは終わらない人間ドラマが展開します。
国際霊柩送還士という知られざる仕事
本作で描かれる国際霊柩送還士は、海外で亡くなった人の遺体を故国へ送り届ける専門家です。
現地の警察や病院との手続き、航空便の確保、ご遺体の保全や修復など、送還までには多くの作業が必要になります。
国や宗教によって異なる決まりにも対応しながら、限られた時間の中で故人を家族のもとへ帰す姿は、本作ならではの見どころです。
故人が残した思いまで家族へ届ける物語
エンジェルハースの仕事は、ご遺体を運ぶことだけではありません。
故人がどのように生き、家族に何を伝えたかったのかを知り、その思いも遺族へ届けようとします。
家族が知らなかった故人の優しさや後悔が明らかになる場面も多く、毎回胸を打たれます。
突然の別れによって言えなかった「ありがとう」や「ごめんなさい」をつなぐ物語になっています。
米倉涼子が演じる伊沢那美の人間味
主人公の伊沢那美は、口が悪く豪快で、依頼人や社員と激しくぶつかることもあります。
一方で、故人と遺族を思う気持ちは非常に強く、理不尽な事情にも決して引き下がりません。
強気な姿だけでなく、行方不明になった恋人への後悔や、母親としての悩みも描かれています。
米倉涼子さんの力強さと繊細さを併せ持つ演技も、大きな見どころです。
新人・凛子の成長
松本穂香さんが演じる高木凛子は、国際的な仕事への憧れからエンジェルハースへ入社します。
しかし、実際に待っていたのは、損傷した遺体や深い悲しみを抱える遺族と向き合う過酷な現場でした。
最初は戸惑い、那美のやり方に反発する凛子ですが、さまざまな別れを経験しながら成長していきます。
視聴者に近い立場の凛子を通して、国際霊柩送還士の仕事を知っていける構成になっています。
遺体修復の丁寧な描写
損傷したご遺体を生前の姿に近づける、柊秀介の修復作業も重要な見どころです。
傷を隠し、化粧を施すのは、見た目を整えるためだけではありません。
遺族が大切な人の顔を見て、最後のお別れをするために欠かせない仕事として描かれています。
故人の尊厳を守ろうとするエンジェルハースの姿勢が、強く伝わってきます。
涙だけではない社員たちの掛け合い
死や別れを扱う作品ですが、物語全体が暗いわけではありません。
エンジェルハースの社員たちは個性が強く、仕事の合間にはにぎやかな会話や笑える場面もあります。
那美と柏木の言い争いや、矢野やみのりの明るいやり取りが、重くなりすぎる物語を和らげています。
悲しさと温かさ、笑いのバランスが取れているため、最後まで見やすい作品です。
1話完結と連続ストーリーの両方を楽しめる
基本的には1話ごとに異なる送還案件が描かれるため、各エピソードだけでも楽しめます。
一方で、那美の恋人・足立幸人が行方不明になった真相や、凛子と母・塔子の確執などは、全話を通して少しずつ進んでいきます。
生きている人にも大切なことを問いかける
本作は死を描いたドラマですが、同時に「今をどう生きるか」を考えさせる作品でもあります。
伝えたい言葉を後回しにしていないか、大切な人ときちんと向き合えているかを、各話の物語が問いかけます。
見終わった後には、自分の家族や身近な人を大切にしたくなるような、温かい余韻が残ります。

いい意味で裏切られるドラマだった
ドラマ『エンジェルフライト』を観た感想

1. 単なる「遺体搬送」ではない、遺族が前を向くための物語
本作で描かれる国際霊柩送還士の仕事は、単に国境を越えてご遺体を運ぶだけではありません。
損傷した体を丁寧に修復し、生前の穏やかな姿を取り戻すこと。
そして、生前の故人が抱いていた真の想いや隠された事実(1話の息子の夢、3話の母親の優しい嘘、4話の実習生の純粋な心)を明らかにすることです。
突然の理不尽な死によって悲しみや怒り、後悔に打ちひしがれる遺族が、故人と向き合って正しく「さよなら」を告げ、前を向いて歩み出すための時間を作る仕事なのだと強く実感させられます。
2. 命や遺族の悲しみに「大小・貴賤はない」という一貫したテーマ
スラム街で命を落とした青年(1話)、テロに倒れた開発支援スタッフ(2話)、大企業の社長と町の小さな食堂の女将(3話)、外国人技能実習生(4話)、世間から「悪女」と叩かれる資産家の妻(5話)、疎遠だった母親(6話)。
扱う対象の社会的立場や死の事情は様々ですが、那美をはじめとするエンジェルハースの面々は、どんなご遺体であっても絶対に差別せず、平等に敬意を払って家族のもとへ届けます。
3話で描かれた「葬儀に大きいも小さいもない」というメッセージは、作品全体を貫く大きな軸となっています。
3. プロフェッショナルとしての誇りと、剥き出しの人間味
凄惨な現場を前に「遺族より先に泣いてはいけない」と新人・凛子を厳しく諭す那美ですが、その根底には誰よりも熱い情熱と遺族への深い思いやりがあります。
完璧に見える那美自身も「キューバで消えた恋人・幸人に謝れなかった」という癒えない傷と後悔を抱えています。
だからこそ「会えるうちに大切な人に想いを伝えるべきだ」と遺族に魂を込めて訴えかける姿には、胸を打たれました。
4. 家族の愛と「許し」のリアルな描写
親子のすれ違いや不器用な愛(1話、6話)、世間体やバッシングと志の狭間で揺れる遺族(2話)、裏切った夫を許せないまま見送る妻(4話)など、美しい美談ばかりに仕立て上げないリアルな感情の揺れ動きも魅力的です。
6話において、凛子が自らの手で母の体を清め、「愛する男」から「愛する娘」へ書き換えたリストに沿って母を抱きしめるシーンは、長年の葛藤が溶けていく感動的なラストと言えます。
【全体の総括】
豪華なゲスト陣が紡ぐ重厚なドラマ性と、海外送還という極限状態でのサスペンス感、そして「生きているうちに想いを伝える大切さ」を教えてくれる圧倒的な温かさが詰まった作品です。
最終話で明かされた「幸人が生きている可能性」という衝撃の展開も含め、最後まで観る者の心を揺さぶり続ける作品となっています。

重いテーマのなかに笑える場面もあり、最後まで見やすかった
ドラマ『エンジェルフライト』は実話?

ドラマ『エンジェルフライト 国際霊柩送還士』は、実話ではありません。
実在する会社と人物、そして実際の取材に基づくノンフィクション書籍を原作としたフィクション(創作ドラマ)です。
【ドラマのベースとなった背景】
- 原作はノンフィクション本 佐々木涼子氏によるノンフィクション書籍『エンジェルフライト 国際霊柩送還士』が原作です。
- 実在する会社がモデル 作中に登場する会社「エンジェルハース」は、実際に国際霊柩送還事業を行っている実在の企業「エアハース・インターナショナル株式会社」およびその代表である木村利恵さんらがモデルになっています。
【実話とフィクションの違い】
- ドラマのストーリー・事件はオリジナル(フィクション)各話で描かれる事件(テロ、事故、詐欺事件、遺体強奪などのサスペンス要素)や、登場人物たちの個性的でドラマチックな人間模様は、エンターテインメントとして作られたオリジナルのフィクションです。
- 仕事内容や搬送のリアルさは実話ベース国境を越えてご遺体を遺族のもとへ届ける手配の難しさ、ご遺体の修復技術(エンバーミング等)、遺族の悲しみに寄り添うプロ意識や現場の苦労といった「国際霊柩送還士」という職業のリアリティは、実際の取材と密着に基づいてリアルに描かれています。

泣けるだけでなく、生きている今を大切にしたくなる作品だと思った
ドラマ『エンジェルフライト』の続編は映画化
ドラマ『エンジェルフライト 国際霊柩送還士』の続編は、映画『エンジェルフライト THE MOVIE』として制作されました。
2026年2月13日から、Prime Videoで世界独占配信されています。
物語は、ドラマ版の直後から始まります。
国際霊柩送還の仕事を続ける伊沢那美のもとに、8年前の事故で行方不明になった恋人・足立幸人が、メキシコで生きているかもしれないという情報が届きます。
那美はメキシコで亡くなった日本人の送還を担当するため、死者の日を迎えた現地へ向かいます。
一方、エンジェルハースの社員たちも、オーストラリアやイタリア、アメリカ、日本で発生した新たな送還案件に挑みます。
主なキャストには、伊沢那美役の米倉涼子さん、高木凛子役の松本穂香さん、柊秀介役の城田優さんが続投。
さらに、矢本悠馬さん、野呂佳代さん、徳井優さん、遠藤憲一さん、向井理さんなど、ドラマ版の出演者も再集結しています。
映画から登場するキャストとして、木村祐一さん、鶴田真由さん、入山法子さん、原日出子さん、池田成志さん、生瀬勝久さんなども出演しています。
ドラマ版で残された幸人の謎と、世界各地で繰り広げられる新たな別れの物語を描いた続編です。
『エンジェルフライト THE MOVIE』については、以下の記事で詳しく紹介しています。
>>『エンジェルフライト THE MOVIE』ネタバレあらすじと結末!キャスト・感想・ドラマの続編を解説

映画化は知らなかった!観たい!
ドラマ『エンジェルフライト』はAmazonPrimeで配信中
ドラマ『エンジェルフライト 国際霊柩送還士』は、2023年3月にAmazon Prime Videoのオリジナル作品として独占配信が始まりました。
現在もPrime Videoで全6話が配信されており、Amazonプライム会員は追加料金なしで視聴できます。
Prime Videoでは、米倉涼子さん主演のドラマ版に加え、続編となる映画『エンジェルフライト THE MOVIE』も楽しめます。
ドラマを最初から見ておくと、那美と足立幸人の関係や、エンジェルハースの仲間たちの背景が分かり、映画版をより深く楽しめます。
| 項目 | 内容 |
| 配信サイト | Amazon Prime Video のみ(完全独占配信) ※Netflix、U-NEXT、Hulu、TVer等での配信はありません。 |
| 料金プラン | 月額 600円(税込) または 年額 5,900円(税込) ※学生向けの「Prime Student」は月額 300円 / 年額 2,950円 |
| 無料体験 | 初回 30日間無料(Prime Studentは 6か月間無料) ※無料体験期間中に解約すれば、料金は一切かかりません。 |
| 広告の有無 | 基本プランで広告表示あり 再生開始時や作品の途中にCM広告が流れます。 ※月額+325円(税込)の追加オプションで「広告なし」に変更可能です。 |
視聴手順のポイント
- Amazonプライム会員に登録初めての方は30日間の無料体験が適用されます。
- 『エンジェルフライト』を検索して視聴追加料金(レンタル料など)なしで、会員特典の見放題作品として全話視聴できます。
- 解約について無料期間中に視聴し終えて解約手続きを行っても、30日間が終了するまでは利用を継続できます。

毎回つらい別れが描かれるのに最後まで観ちゃう…
まとめ
ドラマ『エンジェルフライト 国際霊柩送還士』は、海外で亡くなった人を故郷へ送り届ける国際霊柩送還士たちの姿を描いたヒューマンドラマです。
全6話を通して描かれるのは、突然大切な人を失った遺族の悲しみと、故人が生前に残した思いです。
エンジェルハースの仕事は、ご遺体を運ぶだけではありません。
損傷したご遺体を丁寧に整え、故人が生きていた証や家族に伝えたかった気持ちまで届けようとします。
亡くなった後に初めて分かる優しさや本音も多く、どのエピソードも胸に残る内容でした。
「大切な人に伝えたいことを後回しにしていないか」と、見ている側にも静かに問いかけてきます。
涙を誘うだけでなく、家族や身近な人との時間を大切にしたくなる、温かい余韻の残るドラマです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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