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「介護している相手が、どう見ても死体にしか見えない――」
そんな不気味な設定から始まるホラー漫画が『屍介護(しかばねかいご)』です。
新人ヘルパー・栗谷茜が働くことになったのは、山奥の洋館。
そこで待っていたのは、腐臭を放ち、顔に麻袋をかぶせられた要介護者・宮園妃倭子でした。
漫画版『屍介護』は三浦晴海さんの小説を原作に、三卜和貴さんがコミカライズした作品で、全3巻で完結しています。
この記事では、あらすじや怖さ、各巻の内容、結末、原作との関係、BOOK☆WALKERで読む方法までネタバレ込みで紹介します。
※この記事には漫画『屍介護』のネタバレが含まれます。
未読の方はご注意ください。
漫画『屍介護』とは?全3巻で完結

『屍介護』は、三浦晴海さんの同名ホラー小説を原作としたコミカライズ作品です。
漫画を担当しているのは三卜和貴さん、キャラクター原案は香魚子さん。
「介護」という身近で現実的な仕事と、「死体かもしれない人間を介護する」という異常な状況を組み合わせた介護ホラーです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作品名 | 屍介護(しかばねかいご) |
| 漫画 | 三卜和貴 |
| 原作 | 三浦晴海 |
| キャラクター原案 | 香魚子 |
| 出版社 | KADOKAWA |
| レーベル | 青騎士コミックス |
| 巻数 | 全3巻 |
| 状況 | 完結 |
| ジャンル | ホラー・サスペンス |
第1巻は2024年8月20日に発売され、第3巻は2026年8月20日に発売。
BOOK☆WALKERでも「完結・シリーズ3冊」として配信されています。
全3巻なので、長編漫画が苦手な人や、休日に一気読みできるホラー漫画を探している人にも手を出しやすい作品です。

介護する相手が死体にしか見えないって、設定からして怖すぎる…
漫画『屍介護』のあらすじ
元看護師の栗谷茜は、介護業界へ転職し、新人ヘルパーとして働き始めます。
新しい仕事として紹介されたのは、山奥に建つ洋館での住み込み介護でした。
茜が介護することになったのは、屋敷の主人・宮園妃倭子。
しかし、初めて妃倭子を目にした茜は言葉を失います。
ベッドに横たわっていた妃倭子は、
- 肌が不自然に変色している
- 腐敗したような臭いがする
- 顔には麻袋がかぶせられている
- 自分から言葉を発しない
- ほとんど動かない
という、どう見ても普通の要介護者とは思えない状態だったからです。
茜の頭に浮かんだのは、
「この人は、もう死んでいるのではないか?」
という疑問でした。
しかし先輩ヘルパーたちは、妃倭子を生きている人間として扱い、いつも通り介護を続けています。
不審に思いながらも仕事を続ける茜。
ところが、洋館や周囲の山で起きている出来事を知るにつれ、単なる「変わった介護」では済まされない恐怖が姿を現していきます。

山奥の洋館という舞台も、不気味さをさらに強くしてるよね
漫画『屍介護』の主な登場人物
『屍介護』には、主人公の栗谷茜をはじめ、山奥の洋館で働くヘルパーや、物語の大きな謎を握る宮園妃倭子が登場します。
それぞれの人物が何を知っているのか、なぜこの屋敷で介護を続けているのかが、物語を読み進めるうえで重要なポイントです。
特に妃倭子の存在は、物語序盤から大きな謎として描かれており、茜が抱く違和感とともに、登場人物たちの言動にも少しずつ不穏さが増していきます。
ここでは、漫画『屍介護』に登場する主な人物を紹介します。
栗谷茜
本作の主人公。
元看護師で、新人ヘルパーとして山奥の洋館にやってきます。
介護職として真面目に仕事へ向き合おうとしますが、妃倭子のあまりにも異常な状態に強い違和感を抱くようになります。
読者も茜と同じ視点で屋敷の秘密へ近づいていくため、「自分がこの場所にいたらどうする?」という怖さを感じやすい人物です。
宮園妃倭子
洋館の主人で、茜たちが介護している女性。
腐臭を放ち、肌は変色し、顔には麻袋がかぶせられています。
最初から本作最大の謎となる人物で、
「妃倭子は本当に生きているのか?」
という疑問が物語を引っ張っていきます。
引田
妃倭子の介護を担当する先輩ヘルパー。
明るい性格で、職場のムードメーカー的な存在です。
しかし、普通ではない屋敷で平然と介護を続けていること自体が、茜にとっては違和感の一つとなります。
熊川
妃倭子を介護している先輩ヘルパー。
常に不機嫌そうで、茜に対して厳しい態度を取ります。
物語が進むにつれて、熊川の言動にも重要な意味があることが分かってきます。


妃倭子は本当に生きているのか、最初から気になって仕方ない…
『屍介護』は怖い?怖さのポイントを紹介
『屍介護』がどのような質の恐怖を描いているのか、作品の核心に迫る「怖さのポイント」を掘り下げて解説します。
【怖さのポイント1】認知の歪みがもたらす「集団の異常性」
本作最大の恐怖は、主人公・茜が直視している「明らかに異常な状況」を、周囲のヘルパーや関係者たちが何事もないかのように受け入れている点にあります。
- 死臭が漂い、変色し、麻袋を被せられた要介護者
- それを「生きている人間」として日常的に世話させる環境
- 「自分だけがおかしいのか?」と正気を疑わされる心理的追い詰め
【怖さのポイント2】逃げ場のない「孤立無援の密室環境」
舞台となるのは、携帯電話の電波すら届かない人里離れた山奥の洋館です。
- 物理的に外部へ助けを求められない閉塞感
- 違和感を抱えても、その場で仕事を続けざるを得ない極限のストレス
- 異質なルールが支配する「館」という名の密室劇
【怖さのポイント3】静から動へ転じる「モンスターホラーの側面」
ただ不気味な雰囲気が漂うだけでなく、物語が進むにつれて「動かないはずの存在」が物理的な脅威へと変貌します。
- 麻袋の封印が解かれた瞬間に始まる圧倒的な暴力と襲撃
- 人間を捕食・破壊する「生ける屍」のグロテスクな描写
- 迫り来る死の恐怖と、生き残りをかけた凄惨なサバイバル展開
【怖さのポイント4】現実の社会的闇と重なる「介護の狂気」
単なるフィクションの怪異にとどまらず、過酷な介護現場や閉鎖的な人間関係といった現実的なテーマが底通しています。
- 限界状態に置かれた人間が魅せるエゴと狂気
- 「何のためにこの介護を行っているのか」という真の目的が明かされるサスペンス性
心理的な不気味さから肉体的な惨劇へと段階的に恐怖が加速していく構成が、本作を極上のホラー漫画に仕立て上げています。
死体にしか見えない人を介護する怖さ
この作品における最大の狂気、それは間違いなく「宮園妃倭子」という存在そのものです。
部屋に充満する強烈な死臭、変色し腐敗の進んだ皮膚、そして顔を不気味に覆う麻袋――。
誰がどう見ても息絶えているとしか思えない異貌でありながら、館の人間たちは何事もないかのように日々の介護をこなしていきます。
主人公の茜が覚える凄まじい違和感は、そのまま読者の恐怖体験へと直結します。
「この人は本当に息をしているのか?」
「なぜ周りの人間は、この異常事態に疑問すら抱かないのか?」
答えの出ない問いと、異常を正常と言い切る周囲の冷ややかな空気。
自分自身の感覚すら信じられなくなっていく精神的緊迫感が、読者の心を静かに締め付けます。
「狂っているのは自分なのか、それともこの館全体なのか?」
当たり前のように繰り返される不条理な介護ルーティンが、「常識」を揺るがし、逃げ場のない心理的恐怖へと引きずり込んでいきます。
逃げにくい山奥の洋館
「逃げにくい山奥の洋館」という舞台装置が、なぜここまで読者に圧倒的な恐怖と息苦しさを与えるのか、その構造を4つのポイントで詳しく解説します。
1. 物理的・情報的孤立(インフラからの断絶)
- 電波障害とアクセス不全: 携帯電話が圏外、あるいは極めて不安定な状態に置かれることで、現代人が最も頼りとする「外部へのSOS」が完全に遮断されます。
- 物理的な脱出困難: 麓へ続く唯一の道が崩落や悪天候、あるいは車両のトラブルなどで塞がれることにより、「逃げたくても逃げられない」という地理的な詰み状態が完成します。
2. 「密室」で進行する段階的な侵食
- 徐々に崩壊する日常: 異変が一気に起こるのではなく、最初は小さな違和感(不自然なルール、異臭、怪しげな同僚の言動など)から始まり、徐々に狂気が館全体を侵食していきます。
- 常識が通用しない箱庭: 外部の目が届かないクローズド・サークルだからこそ、館内の「異常なルール」が絶対の正義として機能し、主人公の精神を内側から削っていきます。
3. 「逃げられない理由」という心理的束縛
- 責任感と住み込みの罠: 新人ヘルパーという立場や「仕事である」という責任感、住み込みという環境が、初期段階での「すぐに逃げ出す」という選択肢を奪います。
- 引き返せない恐怖: 違和感を覚えた時にはすでに手遅れであり、狂気の渦中に深く足を踏み入れてしまっているという絶望感が漂います。
4. 読者への強い感情移入と没入感
- 閉塞感の共有: 逃げ場のない狭い空間で異常事態が加速していくため、読者自身も主人公と同じ部屋に閉じ込められているような強い圧迫感を味わいます。
- 「もし自分がこの場にいたら」という戦慄: 助けを呼べない暗闇の洋館で、すぐ側に「生ける屍」や狂った人間たちがいるというシチュエーションが、生存確率の低さを突きつけ、緊張感を極限まで高めます。
何が本当なのか分からない
『屍介護』が単なるグロホラーにとどまらず、読者を強力に引きつける「極上のミステリー・サスペンス」として成立している理由を、物語に散りばめられた3つの謎と構造から詳しく解説します。
1. 読者を疑心暗鬼に陥れる「3つの核心的な謎」
- 【存在の謎】宮園妃倭子とは「何」なのか?
- 腐臭を放ち、肌が変色し、顔に麻袋を被せられた姿は明らかに遺体そのもの。
- しかし、時折見せる「動く」「襲いかかる」といった怪異現象。単なるゾンビなのか、オカルト的な呪いなのか、それとも人為的な実験の産物なのか、その正体が明かされないまま物語が進行します。
- 【人間の謎】周囲のヘルパーたちは「どこまで知っている」のか?
- 新人の茜に対して、狂気的な介護手順を「当たり前の業務」として淡々と指示する先輩たち。
- 彼女たちは被害者なのか、それとも狂気に加担する共犯者なのか。味方だと思っていた存在すら信じられなくなる人間不信の緊張感が漂います。
- 【目的の謎】なぜ「この介護」を続けなければならないのか?
- 人里離れた洋館で、莫大な費用と危険を冒してまで「死体同然の存在」を世話する本当の目的とは何なのか。
- 介護の裏に隠された屋敷の成り立ちや、巨大な「闇の目的」が少しずつ浮かび上がってきます。
2. 伏線と違和感が織りなす「サスペンス演出」
- 断片的な手がかりによる謎解き要素
- 近隣の山で発生している「男女の行方不明事件」、麓で噂される「キシモ山」という不気味な異名、存在しないはずの社員証、スマホに残された謎の留守番電話など、物語の随所に伏線が散りばめられています。
- 「日常の違和感」から「巨悪の真相」へのスケール変化
- 最初は「不気味な介護現場」というミクロな恐怖からスタートしますが、謎を追ううちに館全体の秘密、さらには人間関係や過去の事件が絡み合うマクロなサスペンスへと変貌を遂げていきます。
3. 主人公・茜との「視点のシンクロ」
- 読者は主人公の栗谷茜と同じ「何も知らない第三者」の視点から館に入ります。
- 誰が味方で誰が敵なのか、何が現実で何が異常なのか分からない状態から、茜とともに一つずつ謎を解き明かしていくため、まるで自分自身が作中で捜索を行っているかのような強い没入感を味わえます。

周りの人が普通に介護しているのが、逆に怖い
【ネタバレ】『屍介護』1巻のあらすじ

「このベッドに横たわる人物は、本当に生きているのだろうか――?」 静寂のなか、戦慄の訪問介護がはじまる。
外界から隔絶された山奥の洋館。
新人ヘルパーの栗谷茜は、心機一転の思いで住み込み介護の仕事へと踏み出す。
担当するのは、寝たきりの屋敷の主人・妃倭子(ひわこ)。
希望と少しの不安を抱えながら部屋の扉を開けた茜だったが、目の前に広がっていたのはあまりにも異様な光景だった。
漂う激しい腐臭、変色した肌、そして顔を覆う不気味な麻袋――。
どう見ても「物言わぬ遺体」にしか思えない主人の姿と、常軌を逸した介護手順。
茜を待ち受けているのは、狂気と恐怖に満ちた日常だった――。

怖いけど続きが気になって、読む手が止まらなくなりそう
【ネタバレ】『屍介護』2巻のあらすじ

死体のような姿よりも、彼女が“動く瞬間”にこそ、背筋が凍りつく――。
電波すら届かない深山に建つ洋館で始まった、住み込みの訪問介護。
新人ヘルパーの栗谷茜を迎えたのは、生きている形跡のない要介護者・宮園妃倭子と、どこか不気味な違和感を漂わせる同僚たちだった。
業務2日目、買い出しのため麓の街へ下りた茜は、そこで不穏な噂を耳にする。
近隣の山で発生している男女の失踪事件、そしてこの屋敷が建つ山が地元で「キシモ山」と呼ばれ恐れられているという事実。
深まる不信感と謎を抱えたまま洋館へ帰還した茜。
しかし、扉の先で彼女を待っていたのは、常識を遥かに逸脱した恐ろしい光景だった――。

腐臭や変色した肌など、かなり不気味な描写もある
【ネタバレ】『屍介護』3巻のあらすじ

「狂気に対抗するには、私自身が鬼になるしかない――。」
生きているとは思えない異形の要介護者、宮園妃倭子。
彼女の素顔を隠していた麻袋が解き放たれた瞬間、惨劇の引き金が引かれる。
人間を襲い始める化け物、密室と化した不気味な部屋、存在するはずのない社員証の謎。
スマホに吹き込まれていた謎の留守電、暗闇のなか背後から追ってくる激しい光――。
やがて浮き彫りになるのは、この洋館と狂気の介護に隠された戦慄の真相だった。
全てを呑み込む猛火が、隠された闇を焼き尽くしていく。
凄惨を極めた介護ホラー、ついに衝撃のクライマックスへ!

グロ系が苦手な人は、少し注意したほうがいいかも
『屍介護』の結末はどうなる?【ネタバレ注意】

『屍介護』(全3巻)のクライマックスから結末にかけて明かされる衝撃の真相とラストシーンを、ネタバレ込みで詳しく解説します。
1. 狂気の真実:「介護」の裏に隠された本当の目的
物語終盤、屋敷で執り行われていた異常な作業の目的がついに判明します。
- 妃倭子の正体と「不死の実験」
- 宮園妃倭子は単なる要介護者ではなく、すでに命を落とした人物(または死と同等の状態にある存在)でした。
- 彼女の頭部に被せられていた麻袋や特殊な介護手順は、彼女を「生ける屍」として繋ぎ止め、暴走を防ぐための封印・制御措置だったのです。
- 人柱としての介護
- 屋敷の管理者や関係者たちは、妃倭子を単に世話していたのではなく、彼女の「不死性」を利用・維持するために、外部からヘルパーを集めていました。
- 過去に消えたヘルパーたちや山中での行方不明事件は、すべてこの凄惨な「実験」と「生贄(あるいは隠蔽)」の過程で引き起こされた惨劇でした。
2. 破滅のクライマックス:麻袋の解除と洋館の崩壊
茜が屋敷の闇の真相に迫るにつれ、事態は一気に加速します。
- 封印の解除と暴走
- 妃倭子の頭部の麻袋が外されたことで、彼女の中に眠っていた怪物的な本能が解き放たれ、人を襲う化け物へと完全変貌。屋敷内は凄惨な血の海と化します。
- 激化するサバイバル
- 茜は生き残るため、そしてこの狂気の連鎖を断ち切るために「自らも鬼になる(狂気に対抗する覚悟を決める)」ことを決意。襲いかかる妃倭子や、歪んだ執着を見せる関係者たちと死闘を繰り広げます。
- 猛火に包まれる洋館
- 追撃と混乱の果てに洋館からは火の手が上がり、激しい炎がすべてを焼き尽くしていきます。狂気の介護が行われていた密室と、そこに隠された忌まわしい過去・実験記録のすべてが炎の中に消え去っていきます。
3. 結末(ラストシーン):執着の果てに残されたもの
- 化け物退治にとどまらない「人間ドラマの結末」
- 本作のラストは、単に「化け物を燃やしてめでたし」では終わりません。
- 妃倭子をめぐる親子の歪んだ愛、死を受け入れられずに「生」へ執着した人間の醜さと切なさが浮き彫りになります。
- 茜の辿り着いた結末
- 炎上する洋館から間一髪で脱出した茜(あるいは犠牲を払いながらも生き残った者たち)の目に映ったのは、すべてを飲み込んで燃える館の姿でした。
- 超高齢化社会や介護問題、そして人間のエゴが生み出した「現代の怪異」の凄惨な余韻を残しながら、物語は完結を迎えます。

妃倭子の正体や介護の目的は、かなり重要なポイント
『屍介護』はグロい?
『屍介護』のグロさ・ビジュアル的恐怖について、どのような表現が含まれているのか、なぜ単なるグロ漫画にとどまらないのかを詳しく深掘りして解説します。
1. 『屍介護』における「グロテスクな描写」の具体例
作品全体を通して、視覚的な生理的嫌悪感や不気味さを煽るビジュアル表現が随所に登場します。
- 腐敗・死体描写(ビジュアル的恐怖)
- 要介護者である妃倭子の肌は変色し、黒ずみ、まるで腐敗が進行している遺体そのものとして描かれます。
- 特有の死臭や部屋の空気感、時には虫の存在を感じさせるような生々しい質感表現が、読者に生理的な不快感を与えます。
- 封印の道具「麻袋」と異形の顔
- 顔全体に被せられた不気味な麻袋など、「隠されているからこその薄気味悪さ」が際立ちます。そして麻袋が外された時の素顔や変貌した姿は、圧倒的な異形・惨劇のビジュアルとなっています。
- 「生ける屍」による襲撃・身体損壊
- 物語がサバイバル展開へシフトしていくと、狂暴化した屍による容赦ない攻撃や血みどろのバイオレンス描写、肉体的な損傷が容赦なく描かれます。
2. 「グロさ」だけではない、本作の恐怖の本質
単にグロテスクな映像でショックを与えるスプラッター作品とは異なり、『屍介護』は心理的恐怖(サイコロジカルホラー)とのハイブリッド構成になっています。
- ① 心理的違和感(正気と狂気の狭間)
- 「どう見ても死体」である存在を、周囲の人間が「大切な要介護者」として普通に世話している異様さ。「おかしいのは自分なのか?」と自分の認知を疑わされる心理的追い詰めが描かれます。
- ② サスペンスとミステリーの融合
- 「なぜこの状態の人間(屍)を介護しているのか?」「屋敷や同僚が隠している秘密とは?」という謎解き要素が強く、グロテスクなビジュアルはその「狂気の背景」を引き立てるスパイスとして機能しています。
- ③ 現代社会の「介護の闇」という現実的なリアリティ
- 過酷な介護現場、閉鎖的な空間での人間関係の摩耗、家族や親子の歪んだ執着など、現実にも起こりうる人間のエゴや狂気が底通しているため、怪異のグロさ以上に「人間の狂気」が心に重く残ります。
どんな人に向いているか?
- グロ耐性がまったくない人: 死体描写や血みどろの表現、生理的な気持ち悪さがあるため、注意が必要です。
- ホラー・サスペンス好きの人: 「グロテスクな描写」はストーリーの緊迫感や謎を引き立てるための重要な要素であり、単なる残虐ショーではなく「謎を追う面白さ」と「じわじわ迫る狂気の恐怖」を存分に楽しめる作品となっています。


ただの心霊ホラーじゃなくて、謎を追う面白さもある
『屍介護』の怖さは幽霊系?ゾンビ系?
『屍介護』の恐怖が「幽霊系」なのか「ゾンビ系」なのかについて、物語のフェーズごとに変化する恐怖の質と魅力を詳しく解説します。
1. 序盤:幽霊でもゾンビでもない「サイコロジカル(心理)ホラー」
物語の立ち上がりは、オカルト的な心霊現象やアクティブなモンスターの襲撃ではありません。
- 「死体」を介護させられる不条理劇
- 「明らかに事切れているような人物」を淡々と介護させられるという異質な状況そのものが恐怖の源泉です。
- 常識が歪んだ人間たちの怖さ
- 主人公以外の人間(先輩ヘルパーなど)が、その異常事態を「当然の日常」として受け入れている認知のズレが、読者の正気すら揺さぶります。
- 密室と孤立感
- 通信手段がない山奥の洋館というクローズド・サークルで、じわじわと狂気に侵食されていくサスペンス的な緊張感が支配します。
2. 中盤〜終盤:「ゾンビ(生ける屍)系サバイバルホラー」への変貌
封印が解かれ、隠された真実が明かされるにつれて、作品のテイストは一変します。
- 物理的な脅威としての「生ける屍」
- 宮園妃倭子の頭部の麻袋が外れたことで、動かないはずの存在が暴走。人を襲い、捕食・破壊する「モンスター(ゾンビ)ホラー」の側面が前面に押し出されます。
- 血みどろのバイオレンスとサバイバル
- 静かな心理的圧迫感から一転し、逃げ場のない洋館で命をかけて化け物から逃げ惑う・戦うという、極限状態のサバイバルアクションへと展開します。
3. 根底に流れる「人間の狂気(ヒトコワ)」
本作を単なるゾンビものや怪異もので終わらせないのが、人間のエゴや闇を描いた「ヒトコワ」の要素です。
- 介護の裏に隠された執着
- なぜ死体同然の存在を「生ける屍」として繋ぎ止めるのか。その背景にある人間関係の愛憎、死を受け入れられない人間の身勝手なエゴが解き明かされます。
- 人間のエゴが生む狂気のドラマ
- 超高齢化社会や介護の過酷さを背景にしつつ、最も恐ろしいのは「怪異を利用しようとする人間の歪んだ目的」であるという着地を見せます。

最初は、“何かがおかしい”という違和感がじわじわ来る
原作は三浦晴海の小説『屍介護』
漫画版には原作があります。
三浦晴海さんによる小説『屍介護』で、2022年6月10日に角川ホラー文庫から発売されました。
原作小説は全320ページで、
- 壱夜「拘縮」
- 弐夜「譫妄」
- 参夜「情動」
- 最終夜「禁忌」
という構成になっています。
「拘縮(こうしゅく)」とは、関節などが動かしにくくなる状態、「譫妄(せんもう)」とは、意識が混乱して時間や場所が分からなくなったりする状態を指す医療用語です。
介護や医療に関係する言葉を章タイトルとして使っている点も、この作品らしいところです。
漫画を読んで面白かった人は、原作小説と読み比べてみるのもおすすめです。

原作小説と漫画を読み比べてみるのも面白そう
漫画版『屍介護』は全3巻だから一気読みしやすい
『屍介護』は全3巻で完結しているため、比較的短時間で最後まで読みやすい作品です。
「10巻、20巻ある漫画を今から読むのは大変」という人でも挑戦しやすく、休日や連休の一気読み作品としても向いています。
しかも物語の中心には最初から、
「妃倭子は生きているのか?」
という大きな謎があります。
続きが気になる構成なので、1巻を読み始めるとそのまま3巻まで読み進めたくなるタイプの作品です。

それまでの謎が一気につながっていくのが面白い
漫画『屍介護』を電子書籍で読むならBOOK☆WALKER

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『屍介護』がおすすめな人
『屍介護』は、次のような人におすすめです。
- 短めの完結済みホラー漫画を探している
- 山奥や洋館を舞台にした作品が好き
- ゾンビや「生ける屍」が登場する作品が好き
- 少しグロテスクなホラーも読める
- 謎を追いながら読むサスペンスが好き
- 『この人は本当に生きているのか?』という不気味な設定に惹かれる
- 休日に全巻一気読みできる漫画を探している
特に、最初から正体が分かっている怪物よりも、「何が起きているのか分からない怖さ」が好きな人とは相性が良い作品です。

屋敷の秘密が少しずつ見えてくるとゾッとする
まとめ
漫画『屍介護』は、死体にしか見えない女性を介護することになった新人ヘルパー・栗谷茜を描くホラー作品です。
普通の介護現場に見えていた洋館は、物語が進むにつれて異常な顔を見せ始めます。
「妃倭子は本当に生きているのか?」
「なぜこのような介護を続けているのか?」
という謎を追いかけながら、最終3巻では屋敷に隠された目的へとたどり着きます。
全3巻で完結しているため、長編が苦手な人でも比較的読みやすく、一気読みするホラー漫画としてもおすすめです。
じわじわと追い詰められるホラーが好きなら、チェックしてみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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